#アリバイ崩し承ります
主人公は浜辺美波。
祖父(森本レオ)から、アリバイ崩しを徹底的にたたき込まれ、祖父から受け継いだ時計店を経営している。
バディは、安田顕。
那須野県警察本部捜査一課管理官であるが、アリバイ崩しの能力はイマイチ。
それなのに、県内では、鉄壁アリバイ事件ばかりが発生し、1件5000円のアルバイト料で、浜辺美波の力を借りて事件を次々と解決する。警察内部では、アリバイ崩しの名人と呼ばれるようになる。
さて、これだけの情報で、法律監修だ。
「管理官」は「捜査一課」において「課長」に次ぐナンバー2の地位になる。
「警察署の捜査一課」ではなく「県警本部の捜査一課」そのナンバー2というのは、かなり偉い。
そんな偉い人が、捜査の現場の最前線で捜査することなど、ありえない。
県警本部の大きな部屋に、大きなデスクを構えて、ドンと座っているのがお仕事だ。
じゃ、どの位、偉いのか?
警察官には、厳密な階級制度があってピラミッド構造になっている。
階級は9種類ある。上位から
①警視総監
②警視監
③警視長(警視庁にあらず)
④警視正
⑤警視
⑥警部
⑦警部補
⑧巡査部長
⑨巡査
人数構成で見ると、下から
⑨巡査 約30%
⑧巡査部長 約30%
⑦警部補 約30%
⑥警部 約8%
①~⑤は、合計して、たったの約2%しか居ない超エリート達だ。
①警視総監に至っては、日本に只一人しか居ない警察組織のトップだ。
(夕べ、アメリカ映画を見ていたら、「〇〇警部補か?〇〇巡査部長だ!」と挨拶を交わす場面があった。アメリカでは、警部補より、巡査部長の方が偉いらしい。それとも、翻訳ミスか?)
県警本部の捜査一課管理官に相応しい階級は「警視」だ。「警視」といえば、上から⑤番目。
全国に2%しかいないエリートだ。
現場で捜査しないことが理解できるであろう。
皆さんがよく知っている「太陽にほえろ!」のボス(石原裕次郎)を例にとって説明しよう。
ボスも現場で仕事はしない。窓のブラインドから、新宿の治安を見守るくらいしかしない。
ボスの役職は「七曲がり署刑事一係係長」これは有名だ。新宿にある「七曲がり署」という「警察署」の刑事一係係長は、そんなに偉くない。
部下はせいぜい5~6人程度だ(すぐに殉職してしまうのは、係長の責任だろうが、なぜか処分を受けない)
ところで、ボスの階級は「警部」という設定だ。これはフィクションであり、石原裕次郎ほどの大物俳優を、銭形警部より下の階級に設定できなかったのであろう。小さな警察署の係長に、全警察官の8%しかいない警部を使うなんてもったいない。
ノンフィクションで行くならば、上から⑧番目の巡査部長が妥当な線だ。(大きめの警察署なら⑦番目の警部補もあり得る)
警察署には、刑事一係(殺人課)、刑事2係(経済犯)、刑事4係(暴力団対策)など、沢山の係があり、それら全てが「捜査」を行う実働部隊だ。
県警本部の刑事課は、県内全ての警察署の、全ての刑事係を統括するのだから、配下の人数は半端ない。七曲がり署のボスとは、桁が2つも3つも違う。だから「警視」様くらいの階級が必要となるのだ。
うーーーん。落ちがない。